事業承継の準備はいつから始める?
■事業承継とは
事業承継とは、現在進行形で経営を行っている経営者が引退をし、後継者に経営を引き継ぐことをいいます。
事業承継に関する問題は、経営者であればいつかは必ず直面するものである一方で、後継者選び等で悩み、いつまでも先延ばしにしがちな問題でもあります。
ここでは、事業承継を行う上で必要な基礎知識を分かりやすくまとめていきます。
●事業承継を考えるうえで大切なこと
事業承継を行う時期として考えられるのは、現経営者が引退したいという気持ちになった、というシンプルな理由から、M&Aによって事業承継を行うケースまで様々です。しかし、たいていの場合、現経営者の高齢化に伴い、年齢や病気等の問題から、引退を考えることが多いと言われています。
しかし、現経営者の都合だけでなく、事業承継を行うことは、従業員を守ることにもつながるという視点を忘れないことが大切です。
会社と従業員を守るために最善を尽くした上で、事業承継を行いましょう。また、事業承継はすぐにはできないということを考えておくことが大切です。
事業承継は、ただ経営権を後継者に引き継がせるだけで済むものではありません。後継者の気持ちも尊重し、しっかりと事業承継ができる状態にあるか否かを判断して行う必要があります。
●事業承継の準備段階でしておくべきこと
事業承継を行う前には、後継者の意思を確認し、その意思を尊重することが大切です。
そして、後継者の覚悟と自覚が芽生え、会社の状況も事業承継を行える状況であると判断できた場合に行うことになります。
また、事業承継の準備段階においては、後継者の教育期間から、事業承継後現経営者が引退する時期までを範囲に含めた、事業承継計画書を作成しましょう。
また、後継者が会社の経営者として自社の株式を適正に取得できるよう、株主名簿を整備し株主構成を見直しておくこと、定款を事業承継に適した状態に整備しておくことも重要です。
●事業承継の準備はいつから始めるべきか
事業承継を行う最適なタイミングはいつなのでしょうか。事業承継はすぐにはできないことを念頭におけば、実際に事業承継を行おうとする時期の5年以上前から、しっかりと準備を進めて置き、事業承継の土台を完成させましょう。一般的に、事業承継の全体の期間としては、およそ5年から10年程度かかるといわれていますから、準備を早く行わないと、引退のタイミングも遅くなってしまいます。
しかし、現に事業承継を行うか否かの判断は非常に難しいため、いくつかの要素を判断材料とすることをお勧めします。
事業承継を行うタイミングは、後継者の意思や現状(年齢や能力)、会社の業種や業態を判断材料にして決めましょう。
また、専門家の意見を聞くことも大きな判断材料となるでしょう。早めに相談することで、事業承継を一緒に計画してもらうこともできます。
■事業承継に関するご相談は当事務所まで
神保町法務司法書士事務所では、事業承継に関するご相談を幅広く承っております。事業承継に関して、何から始めればよいか分からない、最適なタイミングが分からないといったお悩みがございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。