M&Aによる事業承継
■M&Aの方法
M&Aとは、事業を個人ではなく企業に対して承継することをいいます。
M&Aを行うには、仲介業者と契約してM&Aの方針を決定の上、売却先候補を選定し、交渉することになります。
事前準備では、事業のニーズの整理を行います。そして、今後の事業の展望なども踏まえて、売却先の候補を探しましょう。
売却先候補との交渉では、①匿名打診、②秘密保持契約、③IMの提示、④直接面談という手順を踏むことになります。
①匿名打診
匿名打診では、企業名を伏せ、企業概要のみを提示して相手方の会社に打診します。この際に作成されるシートを、ノンネームシートといいます。
②秘密保持契約
売却先候補がM&Aに意欲を示した場合、いよいよ企業名その他の情報を開示していきます。ただし、この際には企業秘密とされる重要な情報についても相手方に知られることになるため、秘密保持契約を締結して情報管理を行いましょう。
③IMの提示
秘密保持契約が済んだら、インフォメーション・メモランダム(IM)、すなわち売り手側の詳細な情報を相手方に提示します。これには事業内容のみならず、財務の状況も含まれます。
④直接面談
交渉の最終段階として、互いのトップが対面で話をします。ここで、これまでの経緯や経営理念等の密な共有を図り、最終的な合意を図ります。
■M&Aのメリット
M&Aでは、後継者候補がいなくても事業を引き継いでいくことができ、従業員の保護や現経営者の資本回収が図れます。また、それまで個人で追っていた会社との連帯債務から解放されるという点でもメリットがあるといえます。
■M&Aのデメリット
M&Aでは、対企業という取引の性質上、事業に対してシビアな評価が行われることになります。すなわち、買い手にとって将来的にどのようなシナジーや収益が得られるのかという観点からの評価を受けます。
買い手にとって魅力的な事業でないと、売却先が見つからないという場合があるのです。
神保町法務司法書士事務所では、東京都を中心として、法務相談を承っております。事業承継の流れがわからない、従業員承継を行う上で株式移転の方法に悩んでいる等、事業承継についてお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。