相続登記の必要書類
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった時に行う名義変更の手続きのことをいいます。
相続登記の申請には、さまざまな書類を用意して法務局に提出しなければなりません。法務局で正しい申請かどうかを審査するためにも、その根拠となる書類を提出します。そして、法務局では提出された書類からしか審査をしないので、不足している書類や申請内容に不備があると審査は通らずに相続登記ができなくなってしまうので、注意が必要です。
登記を申請する前に、まずは必要書類を集めましょう。書類は、自分で作成するものと、役所で取得するものの2つに分かれます。
自分で作成するものとして、登記申請書、遺産分割協議書(亡くなった方が遺言を残していない場合)、委任状(代理人に依頼する場合)等があります。
登記申請書のフォーマットにはある程度の決まりがあるので、それに準じて、注意事項に留意しながら作っていきましょう。登記の目的、原因、相続人、添付情報、申請年月日、申請先法務局、課税価格、登録免許税、不動産の表示等が、記載事項となっています。管轄が異なる不動産が複数ある場合には、それぞれの法務局で申請しなければなりません。登記申請書もそれぞれ作成する必要があるので、管轄がどこの法務局なのかも必ず確認しておきましょう。
取得した戸籍等の資料の原本還付(返却)を希望するときは、相続関係説明図も併せて作成しましょう。
遺産分割協議書については、被相続人や相続人の当事者となる人の記載方法、不動産をはじめとした財産の特定方法等、第三者でも記載内容が客観的に分かるように作成しましょう。
役所等で取得するものとしては、亡くなった人の戸籍謄本(出生から死亡までの分)、亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票)、相続人全員の戸籍謄本(または戸籍妙本)、不動産を相続する相続人の住民票(または戸籍の附票)、相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議の場合)、不動産の固定資産評価証明書(登記申請時の年度のもの)が挙げられます。
ただし、兄弟相続、代襲相続、数次相続等の事情がある場合は、取得すべき戸籍の対象が増えることがありますのでご注意ください。
また、亡くなった人が、不動産に関する遺言書(遺言公正証書、自筆証書・秘密証書の遺言の場合は検認済みのもの等)を作成していた場合は、当該不動産については遺産分割協議は不要となり当該遺言の内容に基づき、相続登記を申請することができます。この場合の必要書類は、遺言書に加え、亡くなった人の除籍謄本(死亡の記載のあるもの)、亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票)、不動産を相続する相続人の戸籍謄本(または戸籍妙本)、不動産を相続する相続人の住民票(または戸籍の附票)、不動産の固定資産評価証明書(登記申請時の年度のもの)が挙げられます。
戸籍の収集に関して、引っ越しや結婚などで本籍を移していれば、何カ所もの役所に申請しなければなりません。思っているよりも時間がかかり、数カ月かかるようなケースもあります。書類集めは十分に余裕を持って進めるようにしましょう。また、高齢者の方が亡くなった後、しばらくの間、登記申請をしていなかったような場合には、新たな相続が開始して相続関係が複雑なものになっているケースが多くあります。このように複雑で自分で作成することが難しい場合や、作成が初めてで不安な場合には、専門家である司法書士に依頼する方法もあります。気負わず、まずは登記申請書づくりにチャレンジしてみてください。
神保町法務司法書士事務所は、東京都千代田区で、登記、相続、会社設立などの法務問題のほか、司法書士業務全般を取り扱っております。不動産登記や商業登記、成年後見業務についてお困りの際はお気軽にお問い合わせください。迅速・丁寧・的確・フレキシブルな対応で、ご相談者様に最適な解決方法をご提案させていただきます。