相続登記申請書の作成方法|パターン別に書き方のポイントを紹介
相続登記は令和6年4月から義務化されており、正当な理由なく申請を怠ると過料が科される可能性があります。確実に登記義務を履行できるように備え、遺産分割協議や遺言の有無によって異なる申請書の書き方の違いもチェックしておきましょう。
申請書様式と基本的な作成方法
相続登記申請書の様式は法務局から入手可能で、ホームページからダウンロードすることもできます。
申請書を作成するときはパソコンで入力するか、印刷してボールペンで記載してください。鉛筆やインクが消える筆記具は使用できません。複数枚にわたる場合は、申請人が各用紙のつづり目に契印を押しましょう。
必須記載項目の詳細
申請書には、登記の目的・原因・相続人情報・課税価格・登録免許税・不動産の表示など、法定の項目を正確に記載しなければなりません。
各記載項目について見ていきます。
登記の目的
被相続人が不動産を単独所有していたのであれば、登記の目的欄に「所有権移転」と記載します。
一方、共有持分のみの所有であれば「○○(被相続人氏名)持分全部移転」と記載します。
そのため登記簿に記載されている所有形態を事前に確認しておくことが大切です。
原因
原因欄には、被相続人が死亡した日(戸籍上の死亡日)を、「令和7年11月26日相続」のように、年月日と「相続」という文言を組み合わせて記載します。
遺産分割協議が成立した日や遺言書作成日ではない点に注意が必要です。なお日付は戸籍謄本に記載された死亡日と一致させるようにしましょう。
相続人の情報
相続人欄には、被相続人の氏名を括弧書きで記載し、その下に不動産を取得する相続人の住所・氏名を記載します。
相続人の住所・氏名は住民票の写しに記載されている通りに記載しましょう。申請人となる相続人については、氏名ふりがな、生年月日、メールアドレスも記載してください。申請人の氏名の横には押印も行います。
課税価格と登録免許税
課税価格欄には固定資産課税台帳の価格を記載し、登録免許税欄には課税価格の0.4%を記載します(免税措置の対象となる場合を除く)。
登録免許税は収入印紙で納付し、別の白紙(台紙)に貼付して申請書とホチキスで綴じてください。なお、収入印紙には押印(消印)をしてはいけませんが、台紙と申請書のつづり目には必ず契印を押す必要があります。
不動産の表示
不動産の表示欄は、登記事項証明書に記載されている通りに記載していきましょう。
土地であれば所在・地番・地目・地積、建物であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積を記載していきます。誤記があると補正を求められるため、登記簿と照らし合わせながら丁寧に転記していきましょう。
なお、不動産番号を記載した場合はこれら詳細についての記載は省略できます。
パターン別の相違点
相続の仕方によって添付情報や持分の記載方法が異なります。以下に記載のパターンのうち該当するものをチェックしておきましょう。
相続の仕方 | 添付情報や記載のポイント |
|---|---|
遺産分割協議で決めた | 添付情報として、遺産分割協議書や被相続人(出生から死亡まで)および相続人全員の戸籍謄本等、遺産分割協議書に押印した相続人(申請人を除く)の印鑑登録証明書が必要。 ※不動産を取得する相続人のみを申請書に記載し、協議で取得しなかった相続人は記載不要。 ※遺産分割協議書には相続人全員が実印で押印していること。 |
法定相続分による取得 | 添付情報として、被相続人(出生から死亡まで)および相続人全員の戸籍謄本等が必要。全員が共同申請人となるため、各相続人が申請書に押印する。 各相続人の持分も記載。 例)配偶者と子2人の場合、配偶者は持分1/2、子はそれぞれ持分1/4と記載。 |
公正証書遺言による取得 | 添付情報として、公正証書遺言、被相続人の死亡が記載された戸籍謄本または除籍謄本、相続人であることが分かる戸籍謄本が必要。 持分は、遺言書に記載されている持分と一致するように記載。 ※公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要で、遺言書をそのまま添付できる。 |
自筆証書遺言による取得 | 添付情報は公正証書遺言の場合と同様だが、検認の有無によって手続きが変わる。 ※法務局に保管されていない自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認済証明書付きのものを提出しなくてはならない。 |
相続登記の申請を行う際は、一つひとつの記載事項を丁寧にチェックしながら記載を進めていくようにしましょう。添付する書類の内容と差異がないことを確認し、記載内容が完全に一致していることを確認してください。不備があると補正を求められ、手続きが完了するまでの期間が延びるほか、余計な手間が生じてしまいます。
登記申請に関する対応は司法書士にご依頼いただけますので、不明点のある方はお気軽にご相談ください。
