会社の概要を決める
会社設立にあたっては、盤石な組織づくりから開始していくことが大切です。特に、「会社の憲法」ともいわれる定款は、役員・機関や株主総会、資本金といった経営の方針や、会社の意思決定に直接影響する重要な事項を定めているため、慎重に策定していくことが重要になります。
ここでは、定款の作成や会社経営の基礎となる、会社の要綱について紹介・解説していきます。
■目的
事業の目的を決定します。会社は「目的の範囲内」においてのみ活動ができるため(民法34条参照)、その範囲には一定の余裕を持たせておかなければ経営が硬直化してしまいます。したがって目的を策定する際には、現在の業種に加えて、それに関連する事業や将来参入する可能性のある分野・事業についても検討しておくとよいでしょう。
■商号
商号とは会社の名称のことです(会社法6条1項)。
「◇◇株式会社」や「△△合名会社」というように、商号には会社形態を示す文字も入れます。
■本店の所在地
本店所在地、すなわち、経営の拠点となる事務所やオフィスを決定します。本店所在地は会社のビジネスモデルに適した場所を選択すると良いでしょう。
■設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
設立時の資本規模を検討します。資本金と関連して会社の活動できる規模につながるため慎重に検討します。ただし、最低額を定めた場合、その額を充足しないときは会社設立ができなくなってしまうため、注意が必要です。
持分会社(合資・合名・合同)の場合には、社員の出資の目的及びその価額又は評価の基準を検討しておきます(会社法576条1項6号)。
■事業年度
事業年度すなわち決算期を決定します。事務手続きの都合上、年1期が一般的です。また決算期の検討は、繁忙期や税務上不利な時期を考慮要素にすると良いでしょう。
■設立時の役員等と機関設計
設立時の役員等と機関設計を策定します。取締役会や監査役会、監査委員等を設置するかによって、決定する役員等の人数や種類が異なるため、早期に確定しておくと良いでしょう。また役員が決定したらそれぞれの印鑑証明書を用意しておきます。
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