紙の定款と電子定款
定款とは、商号や事業の目的、本店所在地、機関等、会社についての根本的な規則を記載・記録したものをいいます。定款には、書面による紙の定款と、電磁的記録による電子定款があります。
ここでは紙の定款と電子定款について紹介していきます。
■紙の定款について
定款は書面(紙)によって作成するのが主流となっています。紙の定款の場合、公証役場保管用定款、法務局への登記申請用定款、会社保存用の合計3通の定款を作成し、公証役場へ持参して認証をします。
■電子定款について
電子定款とは、PDFで作成した定款を電子認証したものをいいます。紙の定款と比較すると、収入印紙代の4万円が不要となるため、費用が安く済む点で利点があります。
もっとも、電子定款の場合、「電子署名付きPDFファイル」へのデータ変換ソフトや、電子証明書、住民基本台帳カード等が別途必要となり、書面よりも時間や費用がかかる可能性があります。
■電子定款の認証の流れ
まず、申請者情報を法務省のオンラインシステムに登録し、「申請用総合ソフト」をダウンロードして定款案を作成します。
次に、会社本店の所在地管轄の公証役場に定款案を送付し、公証人によるチェックを受けます。
チェックが完了したら、公証役場で定款を受け取ります。(インターネットでの受け取りはできないため、実際に公証役場に行く必要があります。)なお、公証役場には、以下の持ち物を持っていく必要があります。
- ・本人の確認資料
- ・発起人、社員、設立者全員から電子署名する人への委任状
- ・発起人、社員、設立者全員の印鑑証明書
- ・印鑑
- ・認証手数料5万円
- ・その他手数料
- ・電子定款のプリントアウト2通
- ・USBメモリ
以上が2種類の定款についての紹介となります。定款の電子認証は、紙での定款認証と異なる作業を行う必要があるため、利用する場合には事前に手続きの流れを確認しておきましょう。
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