受付時間
9:00~20:00
定休日
土日祝日

※事前予約で休日時間外の対応可能

遺留分と遺言書の関係|遺言があっても守られる相続人の権利/神保町法務司法書士事務所

神保町法務司法書士事務所-登記-無料相談(千代田区) > 相続(対策・手続き) > 遺留分と遺言書の関係|遺言があっても守られる相続人の権利

遺留分と遺言書の関係|遺言があっても守られる相続人の権利

遺言書は故人の最後の意思を表すもので、これとは別に相続人の権利を守るため法律で定められた「遺留分」という制度もあります。

当記事では、遺言書を使った財産の譲与と遺留分による財産の留保がどのように関係しているのか、どちらが優先されるのか、といった点について言及していきます。
遺言書を作成する方、遺言書が作成されていたときの相続人などはご一読ください。

 

 

遺留分制度の基本

まずは遺留分とは何か、制度の基本を押さえておきましょう。

 

 

遺留分とは何か

遺留分とは「法律によって留保された、相続人の最低限の相続分のこと」です。

 

この制度があることで、遺言書で相続分をゼロにされていたり、極端に少ない相続分を指定されたりしても、一定の相続人は最低限の財産を取得することが認められます。

 

 

遺留分が認められる相続人

遺留分が認められるのは、相続人であって、被相続人(亡くなった方)と次の関係にある方に限られます。

 

  • 配偶者
  • 子(代襲相続の場合は孫も含む)
  • 直系尊属(両親、祖父母)

 

つまり、両親や孫などであっても相続人ではないのなら遺留分を主張することはできませんし、相続人ではあっても兄弟姉妹には遺留分が認められません。

 

 

遺留分の大きさ

遺留分として受け取ることのできる財産は、最大で遺産全体の「1/2」です。

遺留分権利者である相続人が複数いるときはここからさらに法定相続分で分割した額が遺留分となります。

 

もし遺産の総額が3,000万円で妻と長男長女が相続人となる場合、遺留分として留保される全体の金額は「1/2」にあたる1,500万円となります。
ここからさらに個別の遺留分を計算することとなり、妻には750万円(=1,500万円×法定相続分1/2)、長男と長女にはそれぞれ375万円(=1,500万円×法定相続分1/4)が認められます。

 

なお、遺留分権利者が直系尊属しかいないときは、遺産の総額に対し「1/3」までしか留保されません。そこで上の例において相続人が父と母の2人であるとすれば、遺留分全体の金額は1,000万円。各自の遺留分は500万円(=1,000万円×法定相続分1/2)となります。

 

 

遺言書と遺留分の関係性

遺言書と遺留分は、相続において大きな意味を持つ要素です。

一見して相反するように思えるこれらの概念ですが、実際にはどのような関係にあるのか、優先関係などを説明していきます。

 

 

優先関係

遺言書と遺留分の優先関係に関して、一般的に「遺留分が遺言書よりも優先される」と考えることができます。

 

つまり、遺言書の内容が遺留分を侵害※している場合、遺留分権利者は法律で保護された最低限の相続分を請求することができます。

 

※遺留分の侵害とは

各自に留保された遺留分の満額を受け取ることができない状態を指す。たとえば個別の遺留分が375万円と算出されたものの、実際に受け取ることができたのが200万円なら、175万円の遺留分の侵害を受けたと考えられる。

 

ただし、遺言書全体が無効になるということではありません。

 

遺言書自体は有効であり、遺留分を侵害していない部分については、その内容が尊重されます。
さらに、遺留分の侵害があったとしても「遺産それ自体を回収することはできない」ということに留意しなくてはなりません。

あくまで「遺留分の侵害があった額についての金銭の請求」にとどまります。

 

そのため特定の遺産を取得したかった方からすれば、遺留分を主張しても遺言書に優先されることはないとも表現できるでしょう。

 

 

遺留分を侵害する遺言の具体例

遺留分を侵害する遺言の具体例としては、以下のようなケースが挙げられます。

 

  • 全財産を1人の相続人に相続させる旨の遺言
    例)「全ての財産を長男に相続させる。」という遺言がある場合、ほかの遺留分権利者の遺留分が侵害されることになる。
  • 遺産の大部分を第三者に遺贈する旨の遺言
    例)「財産の9割を慈善団体に寄付する。」という遺言があった場合、相続人の遺留分が侵害される可能性が高い。
  • 特定の相続人に財産を取得させない旨の遺言
    例)「次男には一切相続させない。」という遺言は、次男の遺留分を侵害する。
    ただし、法定の要件を満たし家庭裁判所に相続人廃除が認められた場合は、当該人物が相続人ではなくなり遺留分権利者でもなくなるため遺留分の侵害は起こらない。

 

これらの場合、遺留分権利者は遺留分の侵害額相当を支払うよう求める「遺留分侵害額請求」を行うことで、法律で保障された最低限の相続分を確保することができます。

 

 

遺留分トラブルの予防と対策

遺留分と遺言書の優先関係については法律上の規定に従うため、そのルールに従って処理すれば問題ありません。
しかしながら相続人にその知識が適切な手続きがとれず、また、受遺者側に不満が出てくることなどもあるでしょう。

 

結果として相続人間や第三者との間で争いが起こる可能性もあります。

これらのトラブルを未然に防ぎ、円滑な相続を実現するためには適切な予防と対策が重要です。

 

 

予防のためにできること

もっとも大事なのは相続開始前に予防策を講じておくということです。遺言者は以下4点に留意しましょう。

 

適切な遺言書の作成

遺留分に配慮した遺言書を作成することが予防策としてもっとも効果的。

専門家のアドバイスを受けながら、法的に有効かつ遺留分を侵害しない内容の遺言書の作成を目指す。

生前贈与の活用

特定の人物に財産を渡しておきたい場合は生前贈与も検討する。これにより遺留分算定の基礎となる財産から贈与財産を除外することができ、遺留分の侵害を回避できる。

ただし、①相続開始前1年以内に行われた法定相続人以外への贈与、②相続開始前10年以内に行われた法定相続人への贈与(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)は遺留分算定の基礎となる財産に含まれる。

生命保険の活用

保険会社によっては、遺留分対策に特化した保険商品を取り扱っており、生命保険金は原則として遺留分の対象とならないことから、遺留分の侵害が前提の遺言書を作成せざるを得ない場合には、生命保険の活用による金融資産の組み換えにより遺留分の圧縮または請求された場合の支払対策となる。

家族会議

相続に関して家族間でよくコミュニケーションを取っておけば、相続人にとって想定外の事態とはならず、不満なども出にくくなる。

 

 

相続人にできること

すでに相続が始まっている場合、相続人は以下の取り組みに留意しましょう。

 

遺留分の正確な把握

計算ミスのないよう自身の遺留分がいくらなのか、請求可能額はいくらなのかを調べる。生前贈与を受けた方や受遺者なども、請求内容の正確さを判断するために遺留分の計算を行うと良い。

冷静に話し合う

請求をする側・される側のいずれにしても、冷静な話し合いが重要。感情的にならず、互いの立場を尊重しながら協議することが円滑な解決のために大事であり、今後の人間関係にも影響してくる。

請求の記録を残す

遺留分侵害額請求は口頭でも可能だが、内容証明郵便を使うなど請求した事実が客観的に証明できるようにしておく。

請求には時効があり、基本的には「1年以内」に対処する必要がある。請求に対応してくれず1年が経過してしまったときでも「請求をしていました。」と立証できるように備えておく。

 

遺言書の作成や遺留分の仕組みのことなど、わからないことがあるときは相続に詳しい専門家を頼ることもご検討ください。

神保町法務司法書士事務所が提供する基礎知識

  • 相続とは

    相続とは、相続人が、被相続人の一身に専属したもの以外の被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するものです。(民法八百...

  • 相続人調査とは

    相続人調査とは、 被相続人の戸籍を調査して法定相続人が誰であるかを調べることを指します。誰が相続人であるのかということは...

  • 商業登記とは

    ■商業登記制度の意義商業登記制度は会社や商人に関する取引上重要な事項を商業登記簿に登記して公示するための制度であり、商号...

  • 相続登記とは

    ■相続とは相続は、人の死亡を原因として開始します(民法882条)。相続人が2人以上いる場合、相続財産(相続の対象となる財...

  • 民事信託のメリットとデメ...

    民事信託の大きなメリットは成年後見制度や遺言では実現できなかった自由な財産管理・承継が可能という点です。民事信託は契約行...

  • 事業承継を司法書士に依頼...

    事業承継を司法書士に依頼することのメリットとしては、①法律知識が豊富である点、②他士業とのネットワークに優れている点が挙...

  • 遺産分割協議書の作成

    ■遺産分割協議書とは遺産分割協議書とは遺産分割協議の内容を記した書面です。相続を行う際には、相続人同士が遺産分割協議を行...

  • 相続財産調査とは

    相続が発生した時には、相続人を確定するだけでなく、相続する財産がどのくらいあるのか、どのようなものであるのかを調査する相...

  • 遺留分

    ■遺留分とは兄妹姉妹以外の相続人は遺留分を有しています。直系尊属のみが相続人の場合は被相続人の財産の1/3(1028条1...

  • 遺言書作成

    ■遺言書とは遺言書とは被相続人が相続人の遺産分割について生前に定めておいたその内容を記録した書面です。遺言書には主に、自...

  • 相続放棄

    ■相続放棄とは相続した場合相続人は被相続人の一切の権利義務を承継します。しかし相続放棄の手続きをした場合、 初めから相続...

  • 登記書類の作成

    ■不動産登記の申請不動産登記においては、IT化の進展などに伴って、現在ではオンラインでの申請が原則とされています。登記の...

  • 商業登記とは

    ■商業登記制度の意義商業登記制度は会社や商人に関する取引上重要な事項を商業登記簿に登記して公示するための制度であり、商号...

  • 紙の定款と電子定款

    定款とは、商号や事業の目的、本店所在地、機関等、会社についての根本的な規則を記載・記録したものをいいます。定款には、書面...

  • 不動産の名義変更

    ■所有権移転登記所有権移転登記とは、その名の通り所有権が移転したことを示す登記です。登記上では、最後の所有権移転登記の名...

  • 抵当権の設定・抹消

    抵当権は、弁済期が到来しても債務が弁済されない場合に、担保とした不動産を競売にかけて、売却代価から他の債権者に優先して弁...

  • 所有権保存登記

    ■所有権保存登記とは所有権保存登記とは、ある不動産につき初めて行う所有権の登記のことです。言い換えれば、「表題登記」が作...

  • 会社の設立・変更登記

    ■会社の設立の登記ここでは、株式会社における発起設立の場合の設立登記について紹介していきます。設立の登記は、会社設立の手...

  • 会社設立の流れ

    会社の設立は、商号(会社の名称)や事業目的等といった会社の根底となる基本事項の策定から始めるのが通常です。その後は決定し...

  • 法人化するメリット・デメ...

    個人事業者が新たに法人を設立して法人格を得ることを、一般に、「法人成り」といいます。事業の法人化は取引の幅や範囲が広がる...

  • 株式会社と合同会社の違い

    株式日本で設立される会社はその組織形態の在り方から、「株式会社」と「持分会社」の二つに大別されます。また、持分会社はさら...

  • 会社の概要を決める

    会社設立にあたっては、盤石な組織づくりから開始していくことが大切です。特に、「会社の憲法」ともいわれる定款は、役員・機関...

  • 事業開始に必要な届出

    会社を設立した後、実際に事業を開始するには各種行政機関に所定の届け出を行う必要があります。ここでは、事業の開始に必要な届...

  • 事業計画書の作成

    事業計画書は、会社の設立に際して必要な資金を集めるために重要な役割を果たします。事業の方向性を検証し、計画書を作成するこ...

  • 資金調達

    会社を設立しても資金が十分になければ、事業の拡大や新規事業への参入等、会社としての発展を妨げることになるかもしれません。...

  • 民事信託とは

    民事信託とは、信託法の改正によって本格的な活用が可能になった制度です。民事信託では受託者、委託者、受益者といった主体が登...

  • 民事信託の手続きと流れ

    民事信託を行う場合には、何を行いたいのか、それは民事信託でどのような形で実現できるかといった把握をはじめに行う必要があり...

  • 認知症対策としての家族信...

    従来認知症への対策としては成年後見制度が唯一の解決手段といっても過言ではありませんでした。しかし、成年後見制度は認知症の...

  • 遺言書の代わりとして

    民事信託の仕組みとして特徴的なものの一つが遺言代用信託と呼ばれるものです。これは民事信託を利用し、遺言と同じような効果を...

  • 成年後見制度

    成年後見制度は認知症や病気などによって、いわゆる制限行為能力者となった方を保護するためにあります。成年後見制度では財産の...

  • 事業承継の方法

    ■事業承継の方法事業承継では、その承継先によって親族承継・従業員承継・M&Aというような区別がされています。これ...

  • 親族承継と従業員承継

    ■親族承継の方法親族承継とは、現経営者の親族に対して事業を承継することをいいます。親族承継を行う場合、後継者育成、株式移...

  • M&Aによる事業承継

    ■M&Aの方法M&Aとは、事業を個人ではなく企業に対して承継することをいいます。M&Aを行うには...

  • 事業承継を司法書士に依頼...

    事業承継を司法書士に依頼することのメリットとしては、①法律知識が豊富である点、②他士業とのネットワークに優れている点が挙...

  • 民事信託を活用した事業承...

    ■民事信託とは?民事信託とは、自分の財産の管理を家族等に委託することをいいます。委託者は信頼の置ける相手に自己の財産を移...

  • 個人事業主の事業承継の流...

    ■大まかな流れ個人事業主が事業承継を行うにあたっては、後継者の選定・育成、株式等の財産移転の準備、財産移転を行う必要があ...

  • 公正証書作成

    司法書士の業務のひとつとして、公正証書作成があります。公正証書の作成は、以下のように進行します。まず、必要書類の手配を行...

代表司法書士

強みは、上場企業の経理部時代の経験である会計知識に、
会社法実務を組み合わせた中小企業及びベンチャー企業の法務サポート。

岩本司法書士の写真
代表司法書士
岩本 行基人
所属団体・資格等
  • 東京司法書士会
  • 民事信託推進センター 会員
  • 民事信託士
略歴

茨城県生まれ 神奈川県育ち 東京都在住

平成16年 明治大学法学部卒業後、地元の地方銀行、電機メーカーの経理部に勤務
平成21年 司法書士試験に合格
平成22年

都内の司法書士事務所数か所に勤務

※会社設立、企業法務、相続登記、不動産決済等それぞれに強みをもつ各事務所にて実務経験を積む。

平成28年03月 神保町法務司法書士事務所を開所。

事務所概要

身近な法律家『司法書士』があなたのお悩みにお答えします。

不動産登記、商業登記

司法書士は依頼を受けて様々な書類を作成したり、登記または供託に関する手続きを代理で行うことができます。

主に不動産登記や、商業登記が大きな仕事となります。

成年後見業務

近年司法書士の仕事として非常に注目されているのが、成年後見業務です。

判断能力の低下がみられる高齢者の方の財産を守るため、後見人をつけることが可能です。

事務所名 神保町法務司法書士事務所
代表者 岩本 行基人 (いわもと ゆきと)
所在地 東京都千代田区神田神保町1丁目32番地大湯ビル303号
電話番号/FAX番号 TEL:03-5577-2925 FAX:03-5577-2926
営業時間 平日 9:00~20:00
定休日 土日祝日
※ 事前にご予約いただければ、休日時間外のご相談も承っております。
対応エリア 神保町、小川町、水道橋、お茶ノ水、神田、秋葉原
司法書士事務所相談サポート https://www.soudan-form.com/shihosyoshi-search/tokyo/903914/

ページトップへ